ヨーロッパでの先行販売から8年。
シリーズの累計販売本数は10億本を突破。
2007年の『フリクションボール』の発売以降、市場の声を追い風におよそ1年に2アイテムずつ、ペン先の太さ違いのラインナップや蛍光ペン、色鉛筆などフリクションインキを活用したシリーズが次々に開発・発売されていった。なかでもフリクション人気をさらに圧倒的なものにしたのが2010年に発売された『フリクションボールノック』だ。ノック式が根強い人気を誇る日本市場では、待ち望む声が絶えなかったが、どうしてもフリクションインキの性質上、乾燥を防ぐ技術がネックとなり、キャップ式でしか商品化できていなかった。インキ、ペン先というペン設計の根本から見直した地道な研究開発の末、ついにその問題を解決、シリーズ初のノック式ペンの発売にこぎつけた。それまでのキャップ式では「消せるのが便利で買う」特別なペンだったが、『フリクションボールノック』の発売で普段使いのペンとして普通に買い、普通に使うお客様が増えたほか、潜在的なノベルティニーズを掘り起こしたことで『フリクション』全体の売れ行きが加速した。ヨーロッパでの販売から8年。2014年3月末に『フリクション』シリーズの世界累計販売本数は10億本を突破。さらに2019年12月末には30億本を突破した。
『フリクション』発売以前、以後で
まるで世界が書きかわったように。
世界累計販売本数30億本。実に世界のおよそ2人に1人が『フリクション』シリーズを持っている計算になる。それは「こすると消えるボールペン」が日常に入り込み、定着していったことを意味する。例えば、ビジネスシーン。手帳に書きこんだ予定の変更が日常茶飯事の仕事において、サッと書き換えることのできる『フリクション』ほど的を射た商品はない。あるいは学習シーンにおいては消せる蛍光ペン『フリクションライト』が活躍している。重要な箇所にラインを引き、覚えたらラインを消せるため、効率よく学習を進められるのだ。
他にも漫画家が鉛筆でしていた下書きを『フリクション』でするようになり、ドライヤーで消せるようになったことで生産性が大幅に上がったという例もある。このように『フリクション』は今、あらゆるシーンで昔からそこにあったような地位を築いている。「日常を書き換えるということは、それが当たり前になるということですね」と語るのは営業の鈴木。家中に『フリクション』がある鈴木の家では、子どもが「消せる色鉛筆」などをごく普通に使っているという。彼らにとって「消せる」は特別ではなく当たり前。それだけ『フリクション』が日常に浸透していると言える。将来、筆記具は『フリクション』以前、『フリクション』以後で語られるようになるかもしれない。