Interview & 
Message

生産技術

金型設計は奥が深い。
10年以上携わっていても発見がある。

吉田 翔伍 Shogo Yoshida
総合職(技術開発系) 伊勢崎工場 成形課 成形技術係 係長 
2009年入社
工学研究科 材料物理専攻 卒業

2009年に入社し、射出成形金型の設計部門に配属になり、現在に至る。ボールペンやシャープペンシル、万年筆等を構成するプラスチック部品を製造するための金型の設計・製作を担当。新製品の生産立ち上げや既存生産設備のトラブル対応なども行う。現在は教育にも携わり、金型設計のやりがいを後輩に伝えている。

安定した生産のための工夫が、
この仕事の楽しさ。

もともとモノづくりに興味があり、将来何をするにも役立つだろうという理由から大学院では材料物理を専攻していました。いざ就職となったとき、身近なもので、かつ1社で企画から製造までを行う業界を考え、たどり着いたのが文房具。なかでもパイロットを選んだのは、海外展開をしていたこと。自分が携わった製品をより多くの人へ届けられると思い、ここで働くことを決めました。

入社以来ずっと担当しているのは、ペンを構成するプラスチック部品をつくるための金型設計。部品の図面を見ながら金型の図面を引き、できあがった金型で実際に部品を製造できるかを試し、調整を加えながら量産できるようにするのが私の仕事です。金型は、寸分の狂いもない最高品質の一品をつくっても仕方がありません。その金型をつかって安定した加工や生産ができてこそ意味をなすものです。

「たい焼き」の型をイメージしてください。焼きあがって型を開いたとき、左右どちらか片方にたい焼きがずらっと並んでいたほうが提供スピードは上がりますよね。これが工場の生産ラインの場合は、決められた片方に並んでいなければ次工程に移れなかったりします。そうなるように、例えばあえてどちらかの型を微妙に小さく設計し摩擦を増やす、なんてことも金型設計の腕の見せどころ。そんな安定生産のための工夫がこの仕事のむずかしさでもあり、楽しさでもあります。

今の仕事を楽しみながら、
金型の奥深さを後輩に伝えていきたい。

難易度の高い仕事をやり遂げたときは、自身の成長を感じてうれしくなります。難易度を決める要素はいろいろありますが、万年筆のペン芯部品の金型調整は特にむずかしかった仕事のひとつです。金型の構造そのものは一見とてもシンプルなのですが、その形状の部品を量産するためには10㎛(マイクロメートル=0.001mm)以下の目には見えない設計と加工、成形が必要になるため苦労しました。社内の技術継承という意味でも貴重な経験でした。

もうこの仕事に就いて10年以上になりますが、金型は奥が深く、今でも多くの発見があります。企画から設計、製造まですべての工程を自社で完結できるパイロットの環境は恵まれているなと感じます。より良い金型をつくるためには日々勉強です。他社の文房具はもちろん、例えばマスカラのキャップなど化粧品などから金型をイメージしてヒントを得ることもあります。これからもこの仕事を楽しみながら、金型設計のやりがいや奥深さを後輩に伝えていけたらと考えています。

先輩からのメッセージ

1日のスケジュール

  • 8:50
    出社
  • 9:00
    始業 メールチェック
  • 9:30
    射出成形金型の設計
  • 12:00
    昼食
  • 13:00
    生産改善のための打合せ
  • 14:00
    打合せを受けて改善部品の作図 加工発注
  • 15:00
    射出成形金型の設計。生産現場トラブル対応など
  • 17:35
    退社 ジムへ行ってリフレッシュ
※フレックスタイム制での勤務体系です
※情報は取材当時のものです
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