営業の概況(2024年6月期) 業績の概況
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)における経済環境は、国内においては物価高を背景に個人消費の足踏みも見られましたが、景気は緩やかに回復しております。海外においては、物価高騰は沈静化しつつありますが、長期化するウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化の地政学リスクの影響等により、世界経済の先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループにおきましては、国内では、筆記具市場は堅調に推移しました。海外では、米ドルやユーロ、中国元に対する円安は追い風となりましたが、前期より引き続き、一部の主要マーケットの需要は低調に推移しました。また、『2030年ビジョン』に向けて持続的な成長を実現するために、未来に向けた投資を拡大していることから、労務費や減価償却費等の費用は増加しました。
この結果、当期間の連結売上高は656億39百万円(前年同期比106.9%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は144億23百万円(前年同期比107.8%)、海外市場における連結売上高は512億15百万円(前年同期比106.7%)となりました。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業における連結売上高は597億99百万円(前年同期比106.3%)、非筆記具事業における連結売上高は58億39百万円(前年同期比113.8%)となりました。
また、損益につきましては連結営業利益が99億51百万円(前年同期比82.3%)、連結経常利益が126億76百万円(前年同期比89.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は89億33百万円(前年同期比90.8%)となりました。
(参考URL 当社中期経営計画 https://www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)
(日本セグメント)
ステイショナリー用品事業において、国内では、高級シャープペンシルブームを支える「S20(エストゥエンティ)」シリーズの販売が好調に推移したほか、福祉を起点に新たな価値や文化を創造する株式会社ヘラルボニーとのコラボレーション「フリクションボールノックゾーン×ヘラルボニー」が話題となる等市場の活性化も見られました。新製品の「フリクションシナジーノック」やリニューアルした「アクロボール」も市場定着が進み、今後の伸長が期待できます。また、前期より当社グループとなった、手帳・ノート類等のデザインステイショナリーの企画・製造を行うマークス社の売上も貢献しました。一方、輸出においては、フィリピン等一部の国における在庫調整により売上は減少しました。
玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズが大変好調に推移し、売上は増加しました。
産業資材・その他事業においては、産業資材事業の主力製品であるセラミックス製品は半導体市況が回復途上にあることから減収となりましたが、その他事業でマークス商品が売上に貢献しました。
(米州セグメント)
米国市場の主要顧客である量販店の在庫コントロールを受け売上は伸び悩みましたが、ゲルインキボールペン市場でトップシェアを維持している「G-2(ジーツー)」の販売は堅調に推移しました。また、ブラジル市場においてはホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」を中心に伸長しました。
(欧州セグメント)
欧州市場での主力製品である「フリクション」シリーズ等の売上が回復してきたこと、また円安の影響もあり、増収となりました。6月からは「フリクション」シリーズにおいて日本の人気アニメとのコラボレーションによる拡大プロモーションを実施し、売上拡大を図っております。
(アジアセグメント)
中国において景気低調は継続しておりますが、中国市場での主力製品であるゲルインキボールペン「ジュース」シリーズ等は概ね好調に推移し、円安の影響もありセグメント全体は増収となりました。
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