自分の心を整えつつ,自分の「好き」を表現する大切な時間
[fujiko さん / 水彩画イラスト]
2024/12/03
透明水彩絵の具やデジタルツールを組み合わせて、優しい日常を描くイラストレーターfujikoさんをご紹介します。
日常をシンプルに優しく表現することをテーマに, 柔らかい雰囲気のイラストを描いています。元々ふんわりとした淡い色味が好きというのもあり,水彩のにじみやグラデーションが, 私の描きたい優しい世界観を表現するのにぴったりだと感じています。デジタルツールを使う際も, 手描きの温かみや繊細さを大切にしながら制作しています。創作の始まりはアイデアを書き留めることから。自分がリラックスできる環境を作った後,インスピレーションを大事にしながら描きたいものを紙に書き出していきます。そこから具体的なモチーフや構図を決め, 色の選定を行いながら徐々に作品を仕上げていく..., この工程がとても楽しいです。
描きたいものは日常と直結していて, 日々の生活や身の回りの些細な出来事から創作のアイデアを得ることが多いです。好きなカフェを巡る時間,何気ない日常の風景,人との対話,旅先での美味しい食べ物など,自分が「好きなもの,素敵だと思うもの」を生活の中で沢山インプットしていくうちに,ふとした瞬間, 描きたいもののイメージが浮かんできてイラストのテーマになることがあります。時に架空の世界を思いついたままに描くこともあります。
できる限りシンプルに,優しく,アバウトに表現すること。あえて色を塗りすぎないで,淡くにじみ出るようにしたり,掠れて途切れたような線画にしたりしています。完璧なデッサンや風景画ではなく,どこか絵本の世界のような手描き感を大事にしたい。色を線からはみ出させたり,形を少し不完全なものにしてみたり,「完璧じゃなくても大丈夫」そんなイメージ。息苦しい世界でもほっとできるような世界観にしたいです。
元々言葉で自分の想いを伝えることが苦手だった私にとって, 「かく(書く・描く)」ことは言葉にできない何かを表現し,自分を癒す手段でした。以前は, ネガティブな感情を投影させた女の子ばかり描いていたように思います。自分の成長とともに少しずつ状況が落ち着いてくると,感情をぶつける自己満足の絵だけじゃなく,自分の「好き」や「ワクワクするもの」を描きたいと思うようになり, 今に至ります。今の私にとって「かく(書く・描く)」という作業は, 自分の心を整えつつ,自分の「好き」を表現する大切な時間です。
ひとつは, 見てくださる方々の存在が大きいかもしれません。SNSで発信を始めると,企業様や見てくださる方から「涙が出るほど優しさを感じる」「癒される」という嬉しいお言葉を頂けるようになりました。自分の為だけに描き続けていたものが,人の役に立つことがあるのがとても嬉しく,感激したことを覚えています。もうひとつは, 「お洒落で可愛いものを作りたい」というシンプルな欲求です。イラスト以外にもアクセサリー作りやインテリアコーディネート,写真などを趣味でやっているのですが,とにかく自分の思う素敵なものを作品としてアウトプットしたい欲があるように思います。クオリティはまだまだですが,完成した後の達成感と満足感は最高で, とてもやり甲斐があります。
photoトップメイン:ポートフォリオ用にイラストをまとめた作品。全体的に淡い色味のものが多いです。 photo1:日常の瞬間をメモで書き留めるようなイメージで制作した作品。 photo2:好きを詰め込んで仕上げていく工程。 photo3:自分が思う好きを描き続ける。よく使う画材は透明水彩絵の具。 photo4:以前よく描いていた女性画。 photo5:インスピレーションの源となる大好きな「日常」。
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