大人になってからの勉強時間に、効率的な「勉強ノート」を取り入れてみませんか。
書くことで頭の中が整理され、知識が身につく。
読み返すたびに理解が深まり、学ぶことがもっと楽しくなる。
手書きのノートが、あなたの思考と学びをととのえてくれます。
今回は、大人のための勉強ノートのつくりかた、賢いノート術をご紹介します。
大人の学びは、ノートで変わる
学び直しやリスキリング、資格取得、語学学習など、大人になってから勉強を始める人が増えています。ただ、大人の勉強は学生時代とは事情が違い、限られた時間の中で自分のペースで進めていくスタイルが中心。だからこそ、学んだことを確実に自分のものにするための「ノートの使い方」が学びの質を大きく左右します。
勉強ノートをとる効果
ノートに書き出すと、頭の中にある情報が整理され、思考の輪郭がはっきりとしてきます。自分の言葉で説明を書いたり、問題を解いたりすることで、「どこまで理解できているか」が目に見える形でわかり、曖昧な部分が次に学ぶべきポイントとして明確になります。書くという行為そのものが理解を一段深めてくれる。ノート術とは、いわば「思考の整理術」です。
さらに、ノートに書くことで、学んだ知識をいつでも取り出せる形で保存できます。これは、いわば知識の「冷凍保存」。一度にすべてを記憶できなくても、ノートに残しておけば、読み返すたびに記憶がよみがえってきます。ノートは「書く時に3割、読み返す時に7割」の効果を発揮すると言われるほど、読み返しによる学習効果は絶大です。
そして、これらの効果をさらに引き出してくれるのが「手書き」でのノートづくりです。
手書きが学びを深める3つの理由
ペンを持って紙に書くからこそ得られる学びのメリットは、大きく3つあります。
「=」や「⇒」で因果関係や補足説明を表す、逆接を【But】で示す、重要な部分に★印、言葉を短くする(体言止めにするetc.)、「1つ目は~」などを1)2)でまとめる
① モチベーションが整う
大事なところに丸をつけたり、太い波線で強調したり----。手書きは、書き方に強弱をつけられるのが大きな魅力です。「絶対覚えてやる」という気合や「間違えて悔しい」という気持ちを、線の太さや筆圧でそのまま表現できます。その時々の自分の感情が残るノートは、読み返すたびにモチベーションを引き出してくれます。
② 学習効率が上がる
オリジナルの印(例:「☆」...最重要/「⚠」...間違えやすい など)を決めたり、付箋を色別に使い分けたりすることで復習のポイントや学習の優先順位が明確になるため、短い時間でも効率よく復習できます。
③ 理解が深まりやすい
手書きは思考を追いかける速度になるため、短い言葉に圧縮したり、自分にとってわかりやすい言葉に変換したりする「要約の意識」が自然に働き、この翻訳の行為がより理解を深めやすくします。
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(ポイント)実は、大人の脳は勉強に向いている
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「大人になって学習能力が低下した」などと感じる方もいるかもしれません。たしかに、年齢とともに処理速度や記憶の一部には変化が見られます。一方で、成人は子どもよりも語彙や知識の蓄積が豊かで、すでに持っている知識と新しい情報を結びつけながら学びやすいことも知られています。
丸暗記ではなく「意味を理解して記憶する」のが、大人に適した学びのスタイル。その理解のプロセスを支えるツールが、勉強ノートです。
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大人におすすめ!勉強ノート
時間が限られているからこそ、手書きのメリットを活かしながら工夫したノートで効率を上げていきたいもの。
『大人のごきげん独学術』(KADOKAWA)などの著者であり、勉強法デザイナーのみおりんさんがおすすめするのは、次の3つの方法です。
◆4分割暗記法
語学学習に特におすすめの暗記法。
ノートのページを4列に分け、
①覚えたい単語を見ながら、1列目に日本語の意味を答える
②1列目に書いた日本語の意味を見ながら、2列目に単語のスペルを答える
③1列目を隠し、2列目に書いた単語を見ながら、3列目に日本語の意味を答える
④1,2列目を隠し、3列目に書いた日本語の意味を見ながら、4列目に単語のスペルを答える
と、交互にテスト。ノートを4列に分けることで、繰り返し書いて覚える語学勉強に最適な暗記法です。
◆暗記ノート勉強法
単語などの暗記事項をオレンジペンで記載し、赤シートと一緒に綴じ込む方法。
コンパクトなノートサイズにすることでスキマ時間にサッと見返すことができるので、時間のない人におすすめ。(赤ペンよりも、オレンジペンのほうがしっかりと隠れるので◎)
◆自分専用「問題集」ノート勉強法
ルーズリーフとバインダーを活用してノートを作成することを推奨。
問題のページと解答・解説のページを物理的に分けることで、解き直しの際に解答が目に入らないように工夫する。数的推理や空間把握問題で思考力を重視する問題にぴったり。
間違えた問題や覚えにくい範囲だけを抽出して書き、その解答・解説を自分の言葉で作るノート。自分の弱点だけが集まった問題集になり、試験直前の総仕上げに効果を発揮します。
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(ポイント)
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最終的には、自分なりのノートのレイアウトを見つけて固定していくのが理想。それまでは、様々な方法をどんどん試しながら続けること、勉強を楽しむことを最優先に。
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ノートづくりに役立つコツ
「暗記ノート」や「自分専用問題集ノート」など、紹介したノート術をさらにブラッシュアップするために、役立つヒントを紹介します。
◆ 箇条書き+見出しを基本にする
文章で羅列するよりも箇条書きにするだけで情報は整理され、見出しをつけることで情報の階層が整います。後から見返した時にどこに何が書いてあるか一目でわかるノートが、読み返す習慣を育てます。
◆文房具を整える
勉強を始めるタイミングで、文房具を整えてみましょう。使う道具にこだわることで、机に向かう気持ちも効率も上がります。いろいろ試しながら、自分の好みを知るのもおすすめ。書き心地のよいペンやお気に入りのノートは、続けるための心強い味方になってくれます。
◆ 色分けルールを事前に決める
やみくもにペンの色を増やしてカラフルにすると、どこが大事かわからない状態になりがち。色は3色程度に抑え、それぞれの役割をあらかじめ決めておきましょう。例えば「赤=初めて知った重要なこと」「緑=重要だけど以前から知っていたこと」「水色=単語の意味」のように。グレーなどのくすみ色のペンを差し色に加えると、まとまりのある大人らしいノートに仕上がるので◎。
◆「記録」から始める、宣言する
久しぶりの勉強で、エンジンがかからない、勉強のコツをつかむまでに時間がかかるような感覚があったら、記録をつけることから始めるのもひとつの方法です。
例えば、どの勉強法で何時間勉強するか事前にタイムテーブルを作り、一日のスケジュールの中に勉強時間を確保してしまう。または、一日の終わりに「今日何に取り組んだか」「何分勉強したか」を書く。それだけでも、その積み重ねが自己肯定感につながり、継続しやすくなります。
体調や生活習慣などを記入しているノートと併用することで生活と勉強の相関が見えたり、自分なりの「勉強できる条件」がわかるようになるメリットも。
また、勉強記録をSNSで発信して宣言することも継続の後押しに効果的です。
思考をととのえる、大人の学びを
書くことで頭が整理され、読み返すことで知識が戻ってくる。手書きのノートは、大人の学びにそっと寄り添う、心強い味方になってくれます。
仕事の合間に、一日の終わりに。時には、机に向かう時間をつくるのがむずかしい日もあるかもしれません。それでも、ノートのページが一枚ずつ埋まっていくたびに、学びはちゃんと積み重なっていきます。
勉強ノートとともに、昨日より少し前へ進んだ自分に出会いましょう。
監修:みおりん 勉強法デザイナー。東京大学法学部卒業。「すべての人にごきげんな勉強法を」をモットーに、子どもから大人まで使える勉強法・ノート術・文房具情報をYouTube・ブログ・書籍を通じて発信。著書に『大人のごきげん独学術』(KADOKAWA、2025年)、『どんどん勉強が楽しくなるノート術』(エクシア出版、2022年)など。 |
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