2025/03/25
ホワイトボードマーカーのしくみを教えて!!
ホワイトボードに書かれた文字は、どうして消せるの?
オフィスや塾などで必需品のホワイトボード。黒板に替わるものとして、1966 年にホワイトボードと専用マーカーを日本で初めて開発して発売を始めたのは、実はパイロットなのです。消した後もチョークのように粉が飛び散らず、手も汚れない便利なホワイトボードは、当時、画期的な筆記システムとして話題を呼び、すぐに教育機関や官公庁、企業の会議室などに浸透していきました。
今回は、そんなホワイトボードマーカーのしくみをご紹介しましょう。
「ホワイトボードに書かれた文字は、どうして消せるのか?」その秘密を解説します。
インキが染みこまず、表面がツルッとしたボードに書かれた文字を、専用のイレーザーや布などでひと拭きすると簡単に消すことができるホワイトボード。消せる秘密は、ホワイトボードマーカーの「インキ」にあります。
ホワイトボードマーカー用のインキは、4つの成分が混じり合ってできています。 色のもとである「顔料」、顔料同士をつなぐ役割をする「樹脂」、顔料と樹脂の周りを包み込みホワイトボードから浮き上がらせて剝がれやすくする「剥離(はくり)剤」、そしてこの3つの成分を均質に混ぜ合わせるための「溶剤」です。
まず、ホワイトボードに書かれたインキは、空気に触れると、「溶剤」が揮発してなくなります。
次に、残された3つの成分のうち「樹脂」がつなぎ役となって「顔料」同士がまとまります。その時、「剥離剤」だけは顔料と樹脂のまとまりに混ざることなく、外側へ押し出されて顔料と樹脂を包み込んで膜を張ったようになり、ボードからごくわずかに浮き上がった状態になります。そして、専用のイレーザーでこすり取ると、剥離剤の膜に包まれたフィルム状の顔料と樹脂がするりと剥がれて、文字が消せるというしくみです。
何度も書き消しができるのは、インキにこんな秘密があるからなんですね。
みなさんも使う時に、ちょっとだけ消せるしくみについて思い出してみてください。
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