2024/05/10
子どものやさしい心を育んできたパイロットの「メルちゃん」。
1992年生まれの「メルちゃん」
みなさんは、お世話人形「メルちゃん」を知っていますか？ 小さな子どもがいる女性を対象としたアンケート（※）で97.1%の人が「知っている」と答えたメルちゃんは、実はパイロット生まれだということはあまり知られていません。そう、パイロットは玩具もつくっているんです。今回は中でも人気のお世話人形メルちゃんについてお話します。
※：2023年12月実施の楽天インサイト「メルちゃん」購入実態調査より（対象：１～8歳の子どもがいる女性600名）
まずはメルちゃんのプロフィールからご紹介しましょう。1992年に誕生したメルちゃんは、2024年で32周年を迎えました。親子2世代でメルちゃんユーザーという人も多いのではないでしょうか。
1992年、一緒にお風呂に入って遊べるお世話人形「おふろすきすきメルちゃん」として発売されたメルちゃんは、36℃以上のお湯につけると髪の毛がブラウンからピンクに変わるという仕掛けで人気となりました。明るくて甘えん坊な性格のメルちゃんの身長は26センチ。未就学の子どもが抱っこしたり服を着せたりするのにちょうどいい遊びやすいサイズです。メルちゃんというネーミングは、パイロット独自の技術が生んだ、温度によって色が変わるインキ「メタモカラー」の語源である「メタモルフォーゼ」と、「メルヘン」に由来しています。
どうしてパイロットがつくっているの？
それでは、どうして筆記具メーカーであるパイロットがお世話人形をつくっているのでしょうか？
パイロットでは、メルちゃんが誕生するずっと以前の1975年に、温度によって色が変わるインキ「メタモカラー」を開発しました。この「メタモカラー」は、お湯を注ぐと色が変わるコップや冷たい水を使ってメイクアップができる人形など、その後長年にわたってさまざまな用途に使われています。
いろいろな商品づくりの可能性を模索する中で生まれたひとつが、お風呂に入れると髪の毛の色が変わるお世話人形「メルちゃん」だったのです。メルちゃんは、それまでになかった「髪の色が変わる」という特徴が好評を得て人気となり、その後メルちゃんシリーズとしてたくさんのアイテムが登場しました。それ以外にも、パイロットでは、水でお絵かきができる知育玩具などいろいろな商品を生み出しています。
ちなみに、温度で色が変わるメタモカラーはその後も研究が続けられ、メルちゃん誕生から14年後の2006年に、その技術を応用した、摩擦熱でインキ色が透明に変わる、消せるボールペン「フリクション」に進化して世間をあっと言わせることになります。
次のページでは、メルちゃんに込めたパイロットの思いとメルちゃんシリーズが歩んできたヒストリーをご紹介します。
「もっとお世話したい」の声に応えて
たくさんのアイテムが生まれました
発売から30年以上経った今、メルちゃんには、妹やたくさんのお友だちができ、小物やお着替え用の服などアイテム数も充実し、たくさんの子どもたちから変わらず愛され続けています。多くのみなさんに愛され続けてきたのには理由がありました。
例えば購入当時1歳だった子どもも、成長するにつれてメルちゃんとの遊び方が変わってきます。抱っこや一緒にお風呂に入るだけでなく、「もっとメルちゃんをお世話したい」というみなさんからの声に応えて、ベッドやトイレ、着せ替え遊びが楽しめるクローゼットなど、さまざまなお世話アイテムが生まれました。
そして、子どもたちの成長とともにメルちゃんにも妹ができ、お友だちができ、というようにメルちゃんシリーズも育ってきたのです。
メルちゃんと一緒に親子でごっこ遊びをすることによって、子どもの「言葉の発達や他者を思いやるやさしい気持ちを育む効果がある」ということが、大学教授との共同研究でわかってきました。
年齢に合わせた遊び方ができる新しいキャラクターや、お世話アイテムを増やしてきたメルちゃんシリーズは、お世話とおしゃれの両方を楽しみながら、子どもの心を育むことができる愛育ドールとして、発売から30年以上経った今も多くのみなさんに愛され続けています。
お世話遊びを卒業してからも、「もっとメルちゃんと一緒にいたい」というみなさんからの声を受けて、2021年には手のひらサイズの「ポケットメルちゃん」が誕生しました。3歳以上の子どもたち向けに、服のデザインや髪の色などファッション性を大切にし、お世話に必要なアイテムを集める楽しさを提案する展開で話題となりました。
メルちゃん誕生から30年以上経ち、私たちを取り巻く社会や環境は目まぐるしく変化してきましたが、どの時代でも「自分より小さな子に対するやさしい気持ち」は変わることなく、多くのみなさんにお世話されてメルちゃんも育ってきました。この「やさしい気持ち」を未来の子どもたちにも受け継げるように、パイロットはメルちゃんシリーズを大切に育み続けていきます。
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