手を汚さずにお習字ができる便利な「水筆紙」のしくみ

2023/01/25

手を汚さずにお習字ができる便利な「水筆紙」のしくみ

「水筆紙(すいひつし)」ってなんだろう?

墨や墨汁の代わりに透明な水だけで習字の練習ができる「水筆紙」をご存知ですか?
筆に水をつけて書くと、筆が触れたところだけ紙の色が変わることで文字が書ける「水筆紙」は、乾くと筆跡が消えるため繰り返し何度でも練習でき、しかも手や衣服も汚れない便利な製品です。
学校教育でも、小学校学習指導要領が2020年より改定され、小学1、2年生の授業で「水筆紙」が使われるようになりました。

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水筆紙の使い方を動画でご覧ください。


どうして水に濡れると文字が書け、乾くと消えるんだろう?

では、どのような仕組みによって水に濡れると文字が書け、乾くと文字が消えるのでしょうか?

水筆紙は、ベースとなる色の紙を白色の「水発色インキ」でコーティングしています。この水発色インキは、乾いた状態では白色をしていますが、水に濡れると透明になるという特長があります。


水に濡れると......?

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水に濡れると下が透けて見える秘密はこちら 〉〉〉次のページへ

 

なぜ水に濡れると下が透けて見えるんだろう?

水に濡れると下が透けて見える秘密は、水発色インキの層にできる細かな凹凸にあります。
乾いている時にはその凹凸によって光が乱反射するため、下地が透けて見えません。水に濡れると凹凸の隙間を水が埋めることで表面がなめらかになり光の乱反射が抑えられるため、下地の色が透けて見えます。そのため、水をつけた筆で書いた部分が文字となって見えるのです。

時間が経ち水分が乾くと、水発色インキの層がまた元の凸凹状態に戻るため光の乱反射が起き、水筆紙は白い状態に戻り、その結果、書いた文字が消えるのです。

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一般的な水筆紙は、紙をベースに作られていますが、パイロットの水筆紙「水書きお習字練習シート」は、耐久性に優れた合成紙を使用しています。破れにくく、水に濡れても乾いた後の紙が波打ちしにくいため、当社テストでは10,000回以上も繰り返し使うことができます。

また、紙への水の浸透の仕方が習字用半紙に近く、トメ・ハネ・ハライがしっかり表現できるので、子どもの学習だけでなく大人の美文字練習にもおすすめです。

さまざまな分野で活躍する「水発色カラー」

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左:水発色インキの下をカラフルに印刷した知育玩具 右:仕組みを応用したコースターやおみくじ(文字やイラスト部分以外を耐水加工し文字やイラストを浮かび上がらせる)

この技術は、お習字練習のほかにカラフルな子どものお絵描きシート、コースターやおみくじなどの雑貨、建築現場で使う水分検知シートなどにも使われています。

手や衣服を汚さず、たくさん練習しても紙ごみが出ない、環境にやさしい「水筆紙」をぜひ使ってみてくださいね!



水筆紙「水書きお習字練習シート」
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水かきシート「水かきじゆうシート」
製品情報はこちら 〉〉〉水かきシート「水かきじゆうシート」

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