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「楽しいから始まる学び」をコンセプトとして、
クイズ王・伊沢拓司さんを中心に活躍する
東大発の知識集団・QuizKnock。
今回はそんなQuizKnockから、
漢字検定1級を取得した「漢字王」山本祥彰さんと、
理系出身ながら漢検準1級に挑戦中という
須貝駿貴さんが登場!
「漢字」と「書くこと」の魅力について
語り合います。
山本サンは超難関の漢検1級を持ってるよね。どうやって勉強したの?
僕は小さい頃から漢字を勉強してきたんだけど、去年やっと1級が取れたんだよね。勉強方法は結構、過去問を解いてた。漢検の過去問題は形を変えて再出題されることも多いから、1級に合格するための近道として、とりあえず全部解こうと思ったな。これが僕が持ってる過去問なんだけど......
すご!結構昔のやつもあるじゃん。
直近の問題は参考書に載っているんだけど、それより前の分は国立国会図書館で印刷してもらって、合計15年分やりましたね。
須貝さんはどうやって勉強してる?
僕が漢字を覚えるときにポイントとしているのは、絶対に「書く」っていうことかな。試験本番では書く必要があるから。「何回か書けば手が覚えてくれる」というのを結構信じてる。でも、覚えなきゃいけない漢字ってめちゃくちゃあるんだよね。
漢検は書き取り問題が多いもんね。書き取りの難しい問題の中には「言葉の意味はわかるけど書けない」ものと、「そもそも意味がわからないもの」があると思うんだけど、前者の、特に「単語自体に見覚えがあるもの」は書けるようにならないと合格しづらいと思う。準1級だと、貝のカキって意味の「牡蠣(ぼれい)」とかね。
僕はさ、いまだに「蓑(みの)」っていう漢字がちゃんと書けないんだよね。昔の雨具のことなんだけど。真ん中を横棒が貫いているし、その下が「衣」じゃないのが気持ち悪い。あとは「牽引」の「牽」。こっちも漢字として見慣れない形になっているんだよね。
確かに。漢検準1級や1級になってくると見慣れない漢字が増えるよね。僕は「飯盒炊爨(はんごうすいさん)」の「爨」に苦労したな。僕たちは「興奮」の「興」を見慣れてるから、この上の部分は明らかに気持ちが悪いんだよね。
本当だ! 「同」みたいなパーツが左側にくっついてる。おもしろいね。あれ!? 動画※に出てきた「釁(ちぬ)る」って「爨」と上の部分が同じじゃない!?
※複数人が作った問題をごちゃ混ぜにして支離滅裂な問題文を楽しむという企画(通称:闇鍋クイズ)において、須貝はこの「釁」という文字が問題文に入ったクイズを提出。完成した問題文には「ちぬられた宴A」というなんとも不吉な言葉が出来上がっていた。
【東大流の闇鍋】
問題文を混ぜたらミラクル起きてたww
そうそうそうそう! この漢字、1級でめっちゃ書くの! 「三釁三浴※」の「釁」だから!
※三釁三浴:さんきんさんよく。相手を待つ間に何度も香を塗ったり体を清めたりすることから、人を待つときに相手を思いやること。「釁」には「塗る」と言う意味がある。
あー、やっぱり「釁られた宴」って書けなきゃいけないんだ。
そういえば、山本サンが漢字を好きになったきっかけって何だったの?
もともと日本語全般に興味があったのと、テレビ番組で難読漢字を答える宇治原(史規)さんとかを見て、憧れたのがキッカケかな。小学3年生くらいの頃には、100円ショップで漢字の辞書を買ってもらって勉強してたよ。
それだけ長い間、漢字に興味があったんだ。でも、モチベーションを保つのって大変じゃない?
めっちゃ大変。特に漢検1級ってすごく難しいから、高校時代に落ちた時は挫折を感じて、漢検の勉強をやめちゃったんだよね。
でも、QuizKnockに入って「漢字王」として動画に出るようになってから「漢検1級くらいは取らないとな」と思って、必死に勉強してました。そうやって頑張って勉強して合格したおかげで、改めて漢字が好きな気持ちに向き合えてるかな。今はクイズ感覚で模試とかを解いてます。須貝さんは?
僕は高校1年生の時、野球部の顧問の先生が国語の先生だったんですよ。その先生の方針で、野球部は全員漢検を受けることになっていて、先生が退職する高校1年生の冬までに準2級は取ってたんだよね。
じゃあ、最近はなんで漢字を勉強するようになったかっていうと、「熟語ギャグ」が言いたいからなんですよ!例えば、「めっちゃポピュラー」って言いたいときに、あえて「人口に膾炙している」って言ってみたりとか。
確かに! 須貝さんは結構、動画の撮影でも準1級レベルのワードを言っている気がする!
山本サンが動画で簡単な漢字を説明するとき、わざわざめっちゃ難しい熟語の中から取り出してきて説明するのを見て、めちゃくちゃいいなって思ってたんだよね。「これは"三釁三浴"の"三"だ!」みたいな。
須貝さんはどんなときに「漢字を勉強していてよかったな」って思う?
例えばさっきの「闇鍋クイズ」なんかでも、動画のクイズに「釁」っていう漢字を仕込めたのは、「酉」の部分が食べ物に関係する漢字によく使われるということを知っていたからなんですよ。漢字の勉強をしたおかげで、ギャグの幅が広がったと思うな。
やっぱり知識があると語彙も増えるし、動画でも面白いこと言えるようになるからね。
山本サンは?
僕は「役に立った瞬間」というわけじゃないんだけど、他の人よりも日本史の言葉を覚えるのが得意だと思う。
例えば「讒謗律(ざんぼうりつ)」という日本史の単語があるけど、僕は漢字の勉強で「讒謗」を知っていたから、「讒謗(悪口を言うこと)に関する法律なんだな」ってすぐわかった。漢字を勉強すると、漢字以外の分野の学びにも繋がることがあるんだよね。
※讒謗律:1875年に公布された、言論や出版を制限する法令。
確かに、日本にいれば漢字ってどこにも出てくるから、意味を知っていることで理解が深まることは多そうだね。
難しい漢字って覚えられると楽しいから、すぐ使いたくなってくるよね。山本サンのおすすめ熟語とかある?
「蒸し暑いこと」という意味の「溽暑(じょくしょ)」、これは使えると思います。「今年は猛暑だな〜」みたいな感じで「今日は溽暑だね」って言っていきましょう。
「蒸し暑い」より文字数が少ないもんな。
僕は漢字の勉強を始めてすぐ、2月の漢検の準1級の試験で出た「兜率天(とそつてん、仏教で考えられる天上界のひとつ)」は印象に残っていますね。漫画の知識で仏教の地獄は8つ全部覚えたから、今度は天界の名前を覚えたい!
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