万年筆に興味はあるけれど、使ったことは無いという小学生の皆さんに集まってもらいました。
教室に集まったのは小学校3年生から6年生。「万年筆は使ったことがない」という皆さんが、ご家族と一緒にワークショップに参加してくれました。この日はジュニア向け万年筆「カクノ」を使って、文字や絵を描きながら、他の筆記具とは違う独特の書き心地を体験します。中には「友達が万年筆を持っていて興味があった」「お父さんが毎日使っている」という声も。万年筆は長く使える、書くための道具。まずは万年筆の構造や使い方、お手入れの方法から学びます。
パッケージを開封し、実際にカクノに触れてみます。「かっこいい!」「大人っぽい気分になるね」など様々な声が上がります。ボディとインキは別々に封入されているので、ケースから一つひとつ取り出します。お母さんからも「取り扱いが難しいイメージがあったけれど、万年筆がこんなにシンプルだとは知らなかった。意外と気軽に使えそうですね」との感想が。講師の先生からは「普段はペンケースの中、引き出しの中など、普通の保管方法で大丈夫。しっかりお手入れをしていけば、長く使える筆記具です」と説明がありました。「中学生になったら、ペンケースに入れておきたいな」と言う6年生も。ペン字を習っているお父さんからは「カクノは軽く簡単に扱えるから、大人の日常使いにもぴったり」との声も聞かれました。
ペン先には書くのが楽しくなるえがおのマーク。書く時は、マークを上にして。 |
キャップを開け易いように、指を軽くかけるくぼみをつけました。 |
転がりにくく、持ち易い、鉛筆のような六角形です。 |
3本の指にフィットするなだらかな三角形。自然と正しい持ち方が身に付きます。 |
万年筆は「書く為の道具」 万年筆は知れば知る程奥が深いもの。より深く万年筆に関して知りたい方は「万年筆が気になり始めたら」をご覧下さい。 |
インキのカートリッジは簡単に装着できます。インキがペン先に到達するのを待って、さっそく試し書きをしてみました。「軽い!」「書きやすい」「ぜんぜん力がいらないね」と、あちらこちらから感想が聞かれます。手が小さい低学年の皆さんはキャップを外してボディを短く、高学年の皆さんはキャップを後ろに差してボディを長くすると良いバランスで持つことができます。しばらく使用することが無い場合はインキが蒸発してしまう事を防ぐため、水で洗ってから仕舞うと次に使う時にもインキが詰まらずにスムーズに使えるということも教えてもらいました。
自分でインキを入れるのは初めて。愛着がわいてきます。
インキカートリッジを装着。ペン先にインキが下りてくるかな…?
力がいらないので線がすらすら引ける。紙にしみこんだインキが良い味になります。 |
カクノはグリップが三角なので持ちやすい。正しい持ち方が身に付きます。 |
万年筆に慣れるため、親子ペアで簡単なゲームを行いました。お絵描き感覚でカクノを使っているうちに、インキがスッと出る万年筆は、力を入れずに自由な線を描ける筆記具だということがとてもよく分かりました。慣れてきたら、今度は文字を書いてみます。練習帳にならって平仮名を書いてみると、いつもよりもトメやハネがきれいに書けました。筆記具の持ち方に自分流のクセがあっても、ペン先の“えがおのマーク”が常に上を向くように気をつけていれば、次第に正しい持ち方ができるようになっていきます。
使っているうちに、段々と万年筆に慣れてきました。
「万年筆で絵を描くと、漫画家みたいで楽しいね。」
さらさらした書き味は万年筆独特のもの。文字を書くと気持ちが集中していきます。
インキがスッと出るから、なめらかに書けて気持ちが良いです。 | ペン先の扱い方のコツが分かってくると、文字を書くのも楽しくなります。 |
ワークショップの締めくくりに、大切な人へ手紙を書きます。お父さんへ、お母さんへ、思い思いに文章を書いてみます。用紙は裏うつりのしない便箋や和風の一筆箋など、好きなものから選びました。紙質によってインキのにじみ具合が変わるのも万年筆の楽しさの一つです。一文字一文字を大切に、気持を込めて書き進むと、教室は次第に静かになっていきました。皆さんもうすっかり、万年筆を自分の道具として使いこなしているようです。手紙を書き終えた子どもたちは「今年は万年筆で年賀状を書いてみたい!」と話してくれました。
“自分の道具”になった万年筆で手紙を書くと、自然と集中して書けるようです。
紙質とインキの相性をいろいろと試して、気分にあった組み合わせを楽しみましょう。
万年筆の魅力は “書くこと”を純粋に楽しんで夢中になれること。
インキの流れを味わいながら、すらすらと書けるようになりました。
保護者の皆さんからは「この機会に自分の万年筆も欲しくなりました」「ボールペンよりも格段に文字の印象が良くなりますね。これからは自分も手紙や日記に日常的に使いたい」という声が聞かれました。「万年筆という道具があることを、子どもの頃から知っておくことは大切ですね。これからは万年筆で集中して文字を書く時間を持ってほしい」との感想に、子どもたちも笑顔で応えていました。