最近「万年筆が気になりはじめた」と、おっしゃる方が増えています。デジタル全盛の現代社会の中で、心のゆとりや温もりが感じられる万年筆は、貴重な存在なのかもしれません。
万年筆で書いた文字には独特の味わいや雰囲気があります。そして、使う人の個性や気持ちが筆跡に表われることもまた、万年筆の魅力の一つです。さらに、もう一面の魅力は「万年筆で書く」その時間にあります。万年筆は単に字を書くという行為を超え、自分の時間を持つということにつながります。
さて、いよいよ万年筆を持ちたいと感じたとき、自分に合った一本を見つけるためにはどうすれば良いのでしょうか。そのヒントは、万年筆が「書く為の道具」であるということに深く関わっています。
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書き味で選ばれる「書く為の道具」
初めての万年筆は、好みの色や質感などデザインで選びたいとお思いになる方も多いでしょう。ところが、大半の人が店頭で実際に選ぶ段階になると、思いもよらなかった一本を選ぶことになるようです。それは「書く為の道具」としての万年筆の魅力が、デザインよりもその“書き味”にあるからです。実際に書いてみないと自分に合う一本は選べない、それが万年筆なのです。
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まずは声をかけてみる。出会いはそこから始まります。
ショーケースにきれいに陳列されている万年筆は、まるで宝飾品の様で眺めているだけで楽しいものです。ただし、それだけでは自分に合った万年筆にたどり着くことはできません。まずは思いきって、販売員に声をかけてみることが大切です。初めての一本をお探しなら、正直に「万年筆は初めてなのですが」と伝えましょう。販売員という良きアドバイザーのもと、さまざまな万年筆で実際に書いてみること。それが、あなたに合った一本にめぐり合うための第一歩です。
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無限の組み合わせが存在する万年筆 万年筆選びのポイントは、自分に合った書き味を見つけることにあります。そして書き味は、ペン先の種類・太さ・柔らかさ、軸の太さ・重さ・バランスによって決まります。なかでもペン先の種類は数多く、それぞれの好みや用途に応えることができるように用意されています。さらに、手の大きさや筆圧は人によって異なるため、持つ人により無限の組合せが存在すると言えるでしょう。 | ||
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販売員は、万年筆選びの心強いアドバイザー
自分に合った書き味にたどり着くためには、やはり「書いてみる」しか方法はありませんが、自分ひとりで選ぶのは心細く感じてしまうかもしれません。そんなときに頼りにしたいのが、販売員という心強いアドバイザーの存在。万年筆を熟知した販売員は、あなたのペンの持ち方や筆跡、どの程度筆圧がかかっているかをしっかりと観察した上で、あなたに合った一本を提案してくれるはずです。実際にどのような用途での使用を考えているかなど、具体的に相談することができれば、より満足のいく選択ができるでしょう。
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万年筆は使い続けることが何よりも大切
あなたにふさわしい万年筆が見つかったら、いろいろなシーンで万年筆を使用してみましょう。使い込むうちに、あなたの手や書きグセにしっくりと馴染んでくるのを感じるはずです。やがてその一本は自分だけの「書く為の道具」となります。万年筆は使い続けることが何よりも大切なのです。