見る人が絵の中に物語を感じて癒されるような作品を描く
[いけの よしこ さん / 水彩・ペン画]
2025/07/15
日々の感動したことや旅先で心に残ったシーンをもとに、見た人がほっこりして癒されるような絵を描く、いけのよしこさんをご紹介します。
日々感じたこと、いいなと思った風景、いろいろなパターンのアイデアをたくさんスケッチして描きためておいて、新しく挑戦してみたい表現や構成など自分の中で方向性が決まったら描き始めます。ハガキサイズで描くことが多いのですが、うまくいったら大きな作品をつくることもあります。描きためておいたスケッチやアイデアを、じっくり時間をかけて組み合わせて全体の構成を考えて、鉛筆で構図を描きます。そこまでできたら50%くらい完成したのと同じ。あとは1週間ほどかけて少しずつ色を塗っていき、最後にカラーボールペンなどで部分的に輪郭を描き入れたら完成です。
例えば駅の看板やポスター、雑誌の写真、道を歩いている時の雑草や旅先での風景などです。さまざまなクリエイターさんの創作物を見て、色の組み合わせや構図など、新しい表現に出合うと刺激を受けます。また、旅先には小さなスケッチブックを持って行って、一日の終わりに撮った写真をもとに絵日記のようなものを描いています。旅で感動したことはずっと記憶に残っていますし、何年経っても色褪せません。そんな記憶の断片を拾い集めて絵にすることもあります。
描いているのは日々の暮らしにある平凡なシーンかもしれないけれど、見た人が絵の中に物語を感じられるような作品を心がけています。そして、絵を見て癒されるような優しいタッチやちょっと笑えるようなエッセンスを入れることもあります。また、絵に余白を残すようにして、マイナスの美学を意識しています。
人生を支えてくれるものです。絵を描いていると、現実には存在しない絵の中の世界に入ることができて、ワクワクして楽しくなってきます。絵の中に盛り込まれたさまざまなシーンから、見る人が自由に想像して楽しい気持ちになるような、そして描いている自分自身も楽しくなるような絵を描いていきたいですね。またたとえ短い時間であっても、とにかく毎日描き続けることを大事にしています。
子どもの頃からずっと「絵を描く仕事をしたい」という夢を持っていました。その夢を叶えたいという気持ち、そして人生前向きにいつも前進していきたいという気持ちが創作活動の原動力です。
photoトップメイン:外でみんなが楽しく過ごしているところを描いた作品。笑い声が聞こえてきそうな感じを心がけました。photo1:見た人がほっこりするような、癒されるようなシーンを描く。 photo2:旅先ではホテルに帰ってから、一日の出来事を写真や記憶をもとに絵日記にしています。 photo3:みんなお母さんと買い物にいくのが好きな時代があったはず。「今日のご飯、な~に」。 photo4:色はどうしようか、絵具にするかペンにするか考えながら作品を描いていきます。 photo5:たくさんのインバウンドがきて、にぎわっている東京のいいところを盛り込みました。
この記事をシェアする