「わたしの世界の『鬱』くしい」を描きたい
[ししゃももどき さん / デジタルアート]
2024/06/28
ちょっと不思議でダークな世界へ迷い込んだような緻密なタッチのデジタルアート作品を描く、ししゃももどきさんをご紹介します。
子どもの頃から絵を描くことが大好きで、ペンを握るとワクワクしていました。緻密なタッチを活かして動物や少女を描いていたところ、ファンタジーの中にも何処か怖い闇のようなものを感じるという声をいただくことがありました。そんなある日、インターネット上でよく使われるタグで「鬱くしい」という言葉を見つけ、自分の作品の世界観にぴったりだなと思いました。「わたしの世界の『鬱』くしい」というテーマは、可愛らしくも美しくもある動物や少女たちのちょっと不思議でダークな世界、絵本の中に迷い込んだような、ファンタジーな気持ちで作品をつくりたいという想いの表明です。
いきもの好きで、子どもの頃から図鑑をよく見ていました。日本各地の動物園や水族館もよく旅行しています。王道のいきものも勿論好きですが、絵に採り入れるのはあまり知られていないいきもの。また、生きものの他にも、普段よく見かけるモチーフや夢で見たものも混じえて、ありそうで存在しない、そんな世界観を頭で模索しながら描き起こすのが凄く好きです。非日常を感じて貰えたり、興味を持って貰えたりすると嬉しいなと思いながら作成しています。
作品を仕上げる上で一番難しいと感じる工程は「色」です。好きな色があり過ぎていつも迷ってしまいます。PILOTさんの多彩なカラーボールペンも凄く好きで沢山集めていて、「ああ、どの色も使ってみたい!」と感じています。いきものやひとはありのままの色を入れ、その他のものはメインのテーマを活かせる色使いを心掛けています。いきものをできるだけリアルな色で描くことで、絵を見た時、動物園や水族館に行った時、「あ! あのいきものだ!」と気づいて貰えたらいいなと思います。
描くことはわたしの「ルーツ」そのものだ、と言いたいです。昔からずっと好きな「描くこと」に、ずっとワクワクさせられています。描くことでワクワクすることも、ワクワクするものを描くことも、これから先ずっと続けていきたいです。
「日々、さまざまなものを、いろいろな視点で観ること」かもしれません。着眼点が不思議だと言われることがあるのですが、わたしの視点で生み出した独特な架空の世界を観てもらいたいです。例えば、ひつじは雲みたいだから、空に浮いたら......とか、今日は月が綺麗だから月をちょうどいいサイズにして手元に置けたらいいなといった具合に。絵の中では「何をしてもいい」ということが最大の魅力だと思います。
photoトップメイン:ずっとアイコンに使用してきたアヒルをメインに、空の水族館を描くわたしを表現。 photo1:ふわふわでもこもこな羊が空に浮かんでいたら、きっとかわいいであろうという想像から描いた「飛ぶひつじ」。 photo2:デジタルタッチペンで描いたラフスケッチ。アナログな道具で描いていた頃と同じように、鉛筆や木炭ツールでアナログっぽく描いている。 photo3:光り輝く月を見た夜、「あの月がちょうどいいサイズ感で部屋にあったら」「存分に観察したい」「更にそこに夜行性のいきものたちがいたら」、とワクワクを詰め込んだ作品。 photo4:タッチペンで「ブレーメンの音楽隊」をテーマに描いた「JAZZ」。 photo5:「こんなところでこんな動物が〇〇してる!」と楽しい発見のある作品「お菓子作り」。
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