自分にとって「おもしろいかどうか」が、創造への原動力
[大松 雅士 さん / 現代アート]
2024/06/14
ちぎり絵やクレヨン画から、写真やグラフィックデザイン、絵本まで、さまざまな手法で創作活動を行っている大松雅士(ダイマツタダシ)さんをご紹介します。
ちぎり絵、油彩、水彩、色鉛筆、クレヨン、写真、コピーなど画材や手法を選ばず、創作ジャンルもCGイラスト、アート、グラフィックデザイン、チラシ、ポスターデザイン、リアルイラストレーション、デフォルメアート、キャラクターデザイン、物語制作、絵本などさまざまです。これまで数々の公募へ出品し、受賞・活動歴は90を超えました。作品はネット上にアップしたり、されたりしていますが、現代のAI技術を使っても再現が難しい表現をめざしています。
公募やコンテストへエントリーすることが大きなモチベーションとなっています。アイデアが生まれるのは、公募のテーマが「おもしろそう」だと感じた時や、「どんな場所で使われるのか」目的が明確な公募に出合った時。公募に挑戦する際は、主催者が求める作品の傾向を見極めて、リアル、CG、現代アート、デフォルメ、コラージュなどテクニックを駆使して作品づくりに取り組みます。大事にしているのは、過去の受賞者の傾向や、どんな場所でどのように使われるのかを考え抜いてつくること。また、手づくり市などを訪れて、いろいろな作家さんの作品に触れたりして刺激を受けています。
できた作品と独自の物を組み合わせ、絵本制作なども行います。基本的にはやりたいように表現するので、制作途中で方向性が変化していくこともあります。
リアルなものを描く時は特に、描くモチーフとなるものの写真や図鑑を、穴が開くほどじっと見て観察して、描くようにしています。例えば、クジラ石像のモチーフにちぎり絵をつくった時は、白い石像の陰影を観察しながら、架空の色を見つけて筋肉の流れを表現するように作品をつくりました。創作活動に没頭している時はともて楽しく、時間を忘れてずっと描いています。
公募にチャレンジする時、そのテーマが自分にとって「おもしろいかどうか」「そのおもしろさが持続するか」が、創造への原動力となっています。どんな公募であっても、「これはおもしろそう」だと感じるものには可能な限り挑戦し、受賞・活動歴を更新し続けて、何より表現することを楽しみながら活動をし続けていきたいです。
photoトップメイン:「満点の星と鈴音を独り占め」をイメージして描いた作品。 photo 01:水彩絵の具と樹脂絵の具を使ってオカメインコを描いた絵。 photo 02:絶滅危惧種の「ベンケイガニ」をモチーフに、「自然界をどう守るか」をテーマに描いた作品。「ウミポス2023 アートコンテスト」の受賞作。 photo 03:あくびする猫の作品。 photo 04:ちぎり絵の輪郭線を下描きする時は、0.3mmのシャープペンシルを使用。 photo 05:全紙サイズの紙に、鬼の陰影をとらえて筋肉の流れをダイナミックに表現。
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