2024/02/28
どうして振るだけで芯が出てくるの?
フレフレ機構のシャープペンシルの中はどうなっているの?
学生さんを中心によく使われる筆記具「シャープペンシル」。
なかでも振るだけで芯が出る商品は、今ではもうすっかりおなじみですね。
シャープペンシルの芯の出し方には、シャープペンシル登場初期の「回転繰り出し式」や、現在主流の「ノック式」、側面のノブをスライドさせる「スライド式」など、いくつかのバリエーションがあります。ペンを上下に振るだけで芯を繰り出す「フレフレ機構」は、1978年にパイロットが開発した世界初の機構で、一般的には「振り子式」とも呼ばれています。
今回は、どうして振るだけで芯が出てくるのか? そのしくみをご説明します。
まずは、「フレフレ機構」付きシャープペンシルの内部構造を見てみましょう。
一般的なノック式シャープペンシルの内部構造と基本的には一緒ですね。
ただ一つ違う大きく違うところは、「おもり」が入っていることです。
実は、芯が出るメカニズムは、一般的なノック式もフレフレ機構も基本的に同じ。どちらも、後ろから押される力によって、ペン先の「チャック」がつかんでいる芯を送り出します。違いは、後ろから押される力を「どのようにして与えるか」になります。
最も一般的なノック式は、ノブを手で押すことで、芯を保持するチャックを押し、芯を送り出します。フレフレ機構では、ペンを振って内蔵されたおもりを上下させることで、おもりがチャックを押し、それがノック式の「ノブを押す」ことと同じ役割を果たしています。
次のページで、フレフレ機構の内部の動きを詳しく見てみましょう。
たくさんの部品が、どのように動いてシャープペンシルの芯を送り出しているのでしょうか?
フレフレ機構のシャープペンシルの中では
何が起こっている?
振ったとき、シャープペンシルの内部ではどのようなメカニズムが働いているのかを詳しくご紹介します。
手の動きとおもりの動きに注目しながら、フレフレ機構で一番重要な部品「おもり」の動きと「チャック」に焦点を当てて、先端部分をクローズアップした断面図を使って解説していきましょう。
まず、シャープペンシルを振り上げると、芯タンク内のおもりがペンの後ろ側へ動きます。
この状態では、ペン先のチャックは閉じていて芯をつかんで固定していますね。
次に、シャープペンシルを振り下ろすと、おもりはペン先に向かって移動し、チャックを押します。 このおもりによって押された力が、ノブを1回押したことと同じ働きをします。
おもりの移動によって発生した力はスプリングを縮め、締めリングで固定されて芯をつかんだ状態のチャックを押し出します。締めリングから解放されたチャックが開き、つかんでいた芯を離します。
おもりが動きを止め、縮んだスプリングに加わっていた力が抜けて、戻ろうとする力でチャックが後ろへ下がります。再び締めリングに収まることで開いていたチャックは閉じ、芯をつかんで固定します。出てきた芯を先端の芯ホルダーがしっかり受け止め、支えることで筆記ができる状態になります。
シャープペンシルを振るだけで、芯が出るしくみが分かりましたでしょうか? 振ったときに音がするのは、シャープペンシルの中でおもりが前後に動いているからなんですね!
フレフレ機構を搭載したシャープペンシルは、「ドクターグリップ」シリーズのほか「オプト」や「フレフレミー」など、ラインアップが豊富です。現在では、フレフレ機構でも振ったときの音を軽減する静音設計を搭載した「ザ・ドクターグリップ」も登場しています。
ホームページでぜひお気に入りの1本を探してみてください。
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