2022/02/10
ボールペン「チップ」の形で書き味はどう違う?
3タイプの形があります!
ペンの先端にとっても小さなボールが入っている「ボールペン」ですが、その先端部分を「チップ」と呼ぶことは、前々回学びました。まだ読んでいないという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。 〉〉〉「その名の由来知ってますか? ボールペン編」
今回の「かく、を学ぶ」は、そのボールペンの「チップ」に着目!
ボールペンの「チップ」には、主に3タイプの形があります。では、形によってどんな違いがあるのでしょう? ペン先を拡大して観察しながらご説明しましょう。
まずはじめは「コーンチップ」です。なんだかおいしそうな名前ですね。でももちろんトウモロコシ(corn)ではありません。円すい状(cone)の形という意味の「コーン」です。その名の通り、チップは三角コーンのような形状をしています。
一般的なボールペンの大半に採用されていますので、一番なじみのある形かもしれませんね。日本で実用的なボールペンが浸透し始めた1960年代に使われていたのも「コーンチップ」タイプでした。
棒状の金属の塊を削り出して円すい状に成型します。断面図はこんな感じ。厚みのある金属にボールがしっかり固定されているのが分かります。
次は、細長いパイプ状の金属の先端にボールが入っているパイロット独自の「パイプチップ」です。筒状の金属の先端に凹みをつけることによって、筒の中にボールを保持する突起をつくり、ボールを入れてかしめます。
「より細い文字を書きたい」というニーズが高まった1990年代に人気を博した、極細ボールペンに使われているチップです。それ以降、細書き派の皆さまに愛され続けています。
最後は、2016年にパイロットが独自開発した「シナジーチップ」。一見するとコーンチップのようですが、拡大してよく見てみると、チップの先端はパイプチップのように細く、少しくびれがあってコーン状に広がる不思議な形をしています。
実はこの「シナジーチップ」は、コーンチップとパイプチップのよい点を融合させるという、まったく新しい発想で生まれたチップ。コーンともパイプとも違った特殊な製法でつくられています。
丈夫なのに細書きに対応できる、まさにいいとこ取りのチップなのです。
3タイプにはどんな違いがあるのでしょうか? それぞれのチップを比べながらその特長をご紹介しましょう。
「チップ」によって書き味が違います。
「コーンチップ」「パイプチップ」「シナジーチップ」それぞれの形の違いはお分かりいただけたかと思いますが、構造の違いによってチップの特長も異なります。
例えば、「コーンチップ」は丈夫で強い筆圧にも耐えるため、安定して文字を書くのに向いています。また「パイプチップ」は摩擦抵抗が小さくて細書きに適しているので、書き味はなめらかでやわらかく、水性ゲルインキなどのカラーペンに多く採用されています。お米の粒に細かい文字を書けるほど極細なのは、パイプチップだからこそですね。
そしてこの2種類の長所を併せ持つ「シナジーチップ」は、その名の通り相乗効果でメリットも盛りだくさんです。
「コーンチップ」「パイプチップ」「シナジーチップ」、それぞれの特長と違いについて理解が深まりましたでしょうか。
しっかりした筆圧で書きたい、とにかく小さな文字を書きたい、なめらかにスラスラと書きたい…、あなたはいま、どんな書き味で書きたいですか? まずは手にとって実際に書いてみて、手になじむボールペンを見つけてください。
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▶︎コーンチップ代表商品
製品情報はこちら 〉〉〉「アクロボール」
製品情報はこちら 〉〉〉「ジュース」
製品情報はこちら 〉〉〉「スーパーグリップG」
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▶︎シナジーチップ 代表商品
製品情報はこちら 〉〉〉「ジュースアップ」
製品情報はこちら 〉〉〉「フリクションポイントノック04」
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▶︎パイプチップ 代表商品
製品情報はこちら 〉〉〉「ハイテックC」
製品情報はこちら 〉〉〉「ハイテックCコレト」
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