絵柄に用いた「龍」にまつわる伝説は、古代メソポタミアが起源とされ、以来、世界各地で多くの文献や画像、彫像として伝わっています。さらに「龍」は、東・南・西・北、春・夏・秋・冬を守護する四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)のひとつとして、また雷雲を起し雨を呼ぶことから「農耕の恵みをもたらす神」として、古くから信仰されてきました。創立95周年記念万年筆『昇り龍』は、天に向かって昇る自由な精神と活力を描き、人々の暮らしの更なる発展の願いを込めました。一方、『龍』は、慈雨をもたらす雲を添えることで、人々に多くの恵みがもたらされることを祈念しました。
万年筆『昇り龍』は、銀粉や炭粉で絵柄を一段盛り上げ、重厚さと立体感を持たせる高度な蒔絵技法、肉合研出高蒔絵(ししあいとぎだしたかまきえ)を駆使。水の中から天空へ駆け上り、手にした宝珠で願いを天に届ける龍の躍動感を表現しました。この『昇り龍』は創立100周年に向けての想いを込め、蒔絵師・千田正樹が描きました。
FFV-LP-NR-M
万年筆『龍』は、軸・キャップに蜻蛉(せいれい)技法を施して雲に見立てました。研出平蒔絵(とぎだしひらまきえ)で表現した龍の部分は銀で仕上げ、お使いいただいくうちに味わい深い銀色へと変わっていきます。
FV-10MP-R-F/M/B
千田正樹
銘 正樹
Seiki Chida
Signature Seiki
軸・キャップ:エボナイト 肉合(ししあい)研出高蒔絵
ペン先:50号・18K/M(中字)95周年オリジナルデザイン
サイズ:全長176mm×最大径19.7mm
インキ供給:インキ止め スポイト吸入方式
包装:専用漆箱
〈セット内容〉万年筆、スポイト、瓶インキ、(色彩雫「竹炭」)、シリアルナンバープレート、オリジナル印伝ペンシース(龍の鱗とパイロットロゴのオリジナルデザイン)、銘カード、不織布、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
軸・キャップ:黄銅 研出平蒔絵
ペン先:10号・18K/F(細字)、M(中字)、B(太字)95周年オリジナルデザイン
サイズ:全長137mm×最大径14.5mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:専用桐箱
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ、(色彩雫「竹炭」)、シリアルナンバープレート、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
創立90周年は、これまでに蓄積された高度な技術や伝統工芸の蒔絵技術を駆使し、「朱鷺」をモチーフにした2種類の記念万年筆を企画しました。朱鷺の学名は、ニッポニア ニッポン(Nipponia nippon)。『日本書紀』にも「桃花鳥(つき)」という名で記されている朱鷺は、その名の通り、日本を代表する鳥でした。独特の淡い朱色を帯びた羽色は「とき色」と呼ばれ、日の光を浴びて黄金色に輝くさまはたとえようのない美しさであったとされています。
現在、朱鷺は特別天然記念物に指定されています。創立90周年を迎えた2008年は保護区から放鳥された年でもありました。今後の保護活動の成功を祈念するとともに、種の保護および環境保護意識の高揚を図る一助になればという想いを込め、記念万年筆のモチーフといたしました。また、企業として未来に向けて更なる飛躍を目指す想いを、蒼空に舞う朱鷺の飛翔に重ね合わせました。
キャップには天空を舞う朱鷺の姿を、また軸には地上から飛び立つ群れの姿を、研出高蒔絵(とぎだしたかまきえ)で表現しています。軸には川辺を飛ぶ二羽の朱鷺を研出高蒔絵と卵殻で表現しました。伝統技法を余すところなく駆使し「國光會(こっこうかい)」の蒔絵師・坂本康則が描きました。
FFV-LP-TO-M
貝殻などを漆に散らして埋め込んだ螺鈿(らでん)細工技法と銀粉をキャップと軸に施しました。キャップのリングには、波の上を飛ぶ二羽の朱鷺をキャスト技法と漆研出技法で表現しています。
FV-LP-RTO-F/M/B
坂本康則
銘 康則
Yasunori Sakamoto
Signature Yasunori
軸・キャップ:エボナイト 研出高蒔絵、卵殻
ペン先:50号・18K/M(中字) 90周年オリジナルデザイン
サイズ:全長175.8mm×最大径17.1mm
インキ供給:インキ止め スポイト吸入方式
包装:専用桐箱
〈セット内容〉万年筆、スポイト、瓶インキ(黒)、シリアルナンバープレート、銘カード、不織布、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
軸・キャップ:黄銅 研出蒔絵、螺鈿
ペン先:10号・18K/F(細字)、M(中字)、B(太字)90周年オリジナルデザイン
サイズ:全長137.2mm×最大径14.55mm
インキ供給: カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:専用桐箱
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ(黒)、シリアルナンバープレート、専用革ケース、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
古来、日本では長寿の節目として八十八歳を「米寿」と言い、祝う習わしがありますが、創立88周年・米寿を迎えるのにあたり八八の末広がりと、守護・魔除け・祓いなどで日本の文化に深く溶け込み親しまれてきた「獅子・狛犬」と「仁王」の双のイメージを重ねて記念万年筆を企画しました。
昔、宮中では中国の制度様式に倣って守護・魔除けの霊獣として、「獅子・狛犬」を御簾や御帳の鎮子(重石)に用いたり、紫宸殿の賢聖障子などに描き、左に獅子、右に狛犬を一対で配していました。しかし、時代が経つにつれ退化して区別がなくなり、呼び名は狛犬だけになりました。一方、「仁王」は金剛力士とも呼ばれ、仏法や伽藍を守護する役目として二体一対で安置されてきました。身体健全・健脚の功徳があるとも言われています。
一対の狛犬や仁王は、口を開けているほうを「阿」、 閉じているほうを「吽」と呼び、万物の初めから終わりまでを象徴すると言われています。また「阿吽の呼吸」は非常に息の合った状態を表す言葉です。
88周年に迎えるにあたり、さらにその先の安寧を記念蒔絵万年筆『獅子・狛犬』と『仁王』に託しました。
万年筆『獅子・狛犬』は、銀粉や炭粉で絵柄を一段盛り上げ、重厚さと立体感を持たせる高度な肉合研出高蒔絵(ししあいとぎだしたかまきえ)の技法が用いられています。獅子と狛犬が、それぞれキャップと軸に分かれ対をなすかたちで配置されています。この記念万年筆は、脈々と受け継がれてきた精緻な技術によって蒔絵師・林勝が描きました。
FFV-LP-SK-M
万年筆『仁王』は、筋骨隆々とした迫力ある仁王の姿を研出高蒔絵で描きました。阿形をキャップに、吽形を軸に、それぞれ配することで一対の仁王として構成されています。立ちはだかるその姿に、邪悪なものを寄せ付けない存在としての気迫が表現されています。
FFV-LP-NO-M/B
林 勝
銘 勝
Masaru Hayashi
Signature Masaru
軸・キャップ:エボナイト 肉合(ししあい)研出高蒔絵
ペン先:50号・18K/M(中字)88周年オリジナルデザイン
サイズ:全長176mm×最大径19.7mm
インキ供給:インキ止め スポイト吸入方式
包装:真田紐付専用木製箱
〈セット内容〉万年筆、スポイト、瓶インキ(黒)、木製名板、銘カード、不織布、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
軸・キャップ:黄銅 研出高蒔絵
ペン先:10号・18K/M(中字)、B(太字)88周年オリジナルデザイン
サイズ:全長137mm×最大径14.3mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:真田紐付専用木製箱
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ(黒)、木製銘板、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
創立85周年に際しては、万年筆づくりに懸けた創業者をはじめ、幾多の先人たちの創意工夫で蓄積された高度な技術、そして社内で連綿と受け継がれてきた伝統工芸の蒔絵技術を次代に伝えるべく、「飛天」をイメージして記念万年筆を企画しました。
モチーフとして採用したのは、奈良・薬師寺の“凍れる音楽”と形容される東塔(国宝)の水煙です。東塔は730年に建造され、薬師寺で現在まで残った唯一の建築物として知られています。塔上にある水煙は、四枚の透かし彫り銅版からなり、四枚それぞれに水煙状の飛雲のなかで羽衣をなびかせた天人が三体、上中下に配置されています。
飛翔する天人たちが散華し奏楽しながら天上世界から舞い降りてきて、仏や塔の供養を行うと考えた、いにしえの人々が思い描いた飛天の空間です。85周年の節目に未来へつなぐ更なる飛躍への想いとともに描き上げました。
キャップには、両手で蓮花の蕾を捧げる飛天と散華のための盤(華籠)を持つ飛天を配置。また軸には、片膝を立てて跪き横笛を吹く飛天の奏楽の姿を描き上げました。スターリングシルバー台に、星の煌く夜空を青貝と金で表しながら、天人の舞い降りる優美な世界を繊細な研出高蒔絵で表現しています。
FFV-12MS-HT-M/B
國光會
KOKKOKAI
軸・キャップ:スターリングシルバー、 青貝・金散し研出蒔絵
ペン先:10号・18K ロジウム仕上/M(中字)・B(太字)85周年オリジナルデザイン
サイズ:全長137mm×最大径14.2mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:専用木製箱(蓋に薬師寺レーザー彫刻)
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ(黒)、シリアルナンバープレート、ワイピングクロス、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき
万年筆づくりに賭けた創業者をはじめ、先人の情熱を顧みると同時に、新たな世紀へかけがえのない技術を伝えるべく、創立80周年では、創業当時より連綿と受け継がれてきた蒔絵と漆の技術を駆使した「雅(みやび)」と「四神(しじん)」の両シリーズを企画しました。
「雅」シリーズでは、「草紙絵」「貝合せ」「舞楽」の3題を取り上げました。蒔絵の起源は、奈良時代に遡るとされています。その後、蒔絵が大きく発展したのは、繊細な線や色使いなどの高雅な感覚が藤原貴族に受け入れられた平安朝でした。この400年に及んだ平安王朝の雅な世界を、創業当時より磨き上げられてきた蒔絵の技術を集大成し、表現しています。
また、漆黒と朱からなる「四神」シリーズは、昭和初期に「バランス型ラッカーバンド飾り」と称されていた型式に基づき、これまでに培ってきた漆の技術を惜しみなく注ぎ込みました。キャップのラッカーバンド飾りには、古代中国の人々が、「天の四方の守神」として成立させた四神を配しています。
平安時代には貴族の女性たちのために、物語・日記・歌書などを題材にして絵と仮名書きの文を配した草紙(冊子ともいう)が作られていました。万年筆「草紙絵」では、ふたつの画題が描かれています。
[キャップ…紫式部『源氏物語』第五十帖「東屋」より/軸…清少納言『枕草子』第二九九段「香炉峰の雪」より]
FFV-80MR-SEM
貝合せは、蛤の貝を左右に分け一対の蛤を見つける遊びで、後世、左右の貝の裏に絵や歌の上の句・下の句などを書き込み、遊戯方法も洗練されました。万年筆「貝合せ」では、四季草花を題材とした創作絵が描かれています。(春…梅 夏…藤 秋…紅葉 冬…雪)背景の金地には、研出蒔絵の技法で牡丹唐草を描いています。
FFV-80MR-KAM
中国と朝鮮から伝わった雅楽のうち「舞」を伴うもので、主に唐楽と高麗楽のことをさし、宮廷や寺社の儀式・祭祀において演奏されました。万年筆「舞楽」では、ふたつの画題が描かれています。
[キャップ…蘭陵王(らんりょうおう) 斉の国の蘭陵王朝恭は、武勇才知にたけていたが、眉目秀麗で優しい顔つきであったため、頭上に龍を頂いた勇壮な面を被って周軍に大勝したという故事によるもの/軸…還城楽(げんじょうらく) 胡人の面を付け、蛇を捕らえて歓喜する様を舞っています]
FFV-80MR-BUM
四神は、昭和初期に使われていた「バランス型ラッカーバンド飾り」と言われた型式を再現しました。
ラッカーバンド飾りには、古代中国の人々が「天の四方の守神」として成立させた小宇宙を表す四神が施されています。東は青龍、西は白虎、南は朱雀、そして北は玄武と、四神獣はそれぞれの方位を司ります。色は漆黒と朱があり、どちらも艶やかな美しい光沢を放つ蝋色漆仕上で表現しています。
FF-8MR-BM
四神は、昭和初期に使われていた「バランス型ラッカーバンド飾り」と言われた型式を再現しました。
ラッカーバンド飾りには、古代中国の人々が「天の四方の守神」として成立させた小宇宙を表す四神が施されています。東は青龍、西は白虎、南は朱雀、そして北は玄武と、四神獣はそれぞれの方位を司ります。色は漆黒と朱があり、どちらも艶やかな美しい光沢を放つ蝋色漆仕上で表現しています。
FF-8MR-RM
林 勝
銘 勝
Masaru Hayashi
Signature Masaru
軸・キャップ:エボナイト 研出高蒔絵〈金地、螺鈿〉
ペン先:20号・18K/M(中字) 80周年オリジナルデザイン
サイズ:全長145.9mm×最大径17.2mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:高級漆塗ケース
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ、高級革シース、一筆箋、封筒、リーフレット、
取り扱い説明書、お客様登録はがき
坂本康則
銘 康則
Yasunori Sakamoto
Signature Yasunori
軸・キャップ:エボナイト 肉合(ししあい)研出高蒔絵〈金地、霞蒔〉
ペン先:20号・18K/M(中字) 80周年オリジナルデザイン
サイズ:全長145.9mm×最大径17.2mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:高級漆塗ケース
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ、高級革シース、一筆箋、封筒、リーフレット、
取り扱い説明書、お客様登録はがき
吉田久斎
銘 久斎
Kyusai Yoshida
Signature Kyusai
軸・キャップ:エボナイト 研出高蒔絵〈卵殻、螺鈿、白檀塗〉
ペン先:20号・18K/M(中字) 80周年オリジナルデザイン
サイズ:全長145.9mm×最大径17.2mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:高級漆塗ケース
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ、高級革シース、一筆箋、封筒、リーフレット、
取り扱い説明書、お客様登録はがき
軸・キャップ:黄銅 蝋色漆仕上・漆黒
ペン先:20号・18K/M(中字) 80周年オリジナルデザイン
サイズ:全長149.2mm×最大径17.2mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:高級塗ケース
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ、高級革シース、一筆箋、封筒、リーフレット、
取り扱い説明書、お客様登録はがき
軸・キャップ:黄銅 蝋色漆仕上・朱
ペン先:20号・18K/M(中字) 80周年オリジナルデザイン
サイズ:全長149.2mm×最大径17.2mm
インキ供給:カートリッジ式/コンバーター70型添付
包装:高級塗ケース
〈セット内容〉万年筆、瓶インキ、高級革シース、一筆箋、封筒、リーフレット、
取り扱い説明書、お客様登録はがき
創立105周年を迎えるにあたり、現存する日本最古の歴史書「古事記」に記されている「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の物語をモチーフにした記念万年筆を企画しました。岬で傷つき泣き伏す兎を、通りかかった大国主が救うという神話の一節。物語のテーマである「実直さ」「やさしさ」は、多様性を認め合う現代社会の大切な要素でもあります。
兎は、日本においては厄除けや子孫繁栄の象徴であるともいわれています。また中国では長寿の神様といわれ、ヨーロッパでは危険回避の縁起物とされているところもあるようです。古来より世界各地で縁起のよい動物とされてきた兎の並外れた跳躍力にあやかり、未来への飛躍を祈念しました。
キャップには、教えを乞う兎とその兎に策を授ける大国主の姿を高蒔絵で描きました。また軸には、華麗に飛び跳ねる兎を高蒔絵で描き、その美しい毛並みを毛彫り技法で表現しました。兎の足元には、物語に登場する「和邇(わに)」(サメもしくはワニとされる生き物)を岩々に見立て、肉合研出高蒔絵(ししあいとぎだしたかまきえ)を用いることで立体感が出るよう表現をしています。この記念万年筆は、未来への飛躍を願い蒔絵師・山田満佐博が描きました。
F-P105TH23-SRU-M
山田満佐博
銘 満佐博
Masahiro Yamada
Signature Masahiro
軸・キャップ:エボナイト 肉合(ししあい)研出高蒔絵
ペン先:50号・18K/M(中字)105周年オリジナルデザイン
サイズ:全長176mm×最大径19.7mm
インキ供給:インキ止め スポイト吸入方式
包装:専用木曽漆箱
〈セット内容〉万年筆、スポイト、瓶インキ(黒)、シリアルナンバープレート、
銘カード、不織布、リーフレット、取り扱い説明書、万年筆保証書、お客様登録はがき