「万年筆」を使ったことはありますか? 100年以上前に、すべての部品が日本で作られた万年筆を初めて発売したパイロットが、最近注目を集める万年筆についてご紹介します。
万年筆は、インクがペン先に送られることで、なめらかに書くことができる筆記具。長く使えるので、進学や就職のお祝いとして贈られることもあります。万年筆を使うと、ペン先の弾力によって、インクの濃淡が表現でき、味わいのある文字が書けるのが特徴。手入れをすればずっと使えるサステナブル(持続可能)な筆記具なんだよ。
万年筆のインクが出るのは「毛細管現象」と「空気の交替作用」という2つをうまく応用しているから。
細い管を液体の中に立てたとき、その液体が管内で他の水面より高くなる現象のこと。この現象を応用して、ペン先が紙に触れたとき、ペン軸の中にあるインクが毛細管現象によってペン芯(ギザギザの溝がある部分)とペン先の切り割り(ペン先の切り込み)を通ってペン先まで届きます。さらに、紙の繊維がインクを吸収することも作用しています。
また、軸の中にあるカートリッジからインクがスムーズに出てくるのは、「空気の交替作用」が働いているから。ペン芯には、インクが通るインク溝と空気を取り入れる空気溝があり、インクが流れた分だけ空気が入ることで、インクが途切れずに出るようになります。
万年筆とは、このような合わせ技によって誕生した、すごいしくみを持った筆記具なのです。
初めて万年筆を使う人向けに開発された万年筆として、「カクノ」が登場。使いやすい工夫がいろいろあって、値段も1100円(税込み)とお手頃。ペン先は極細字、細字、中字の3種類あり、カートリッジインクの種類もたくさんあります。
万年筆を使ったことがない人や、子どもにとっても使いやすく、それでいて万年筆ならではの書き味が楽しめます。
パイロットコーポレーションは、総合筆記具メーカーとして、万年筆やボールペン、シャープペンシル、カラーペンなど、さまざまな筆記具を作っています。今から100年以上前に、すべての部品が日本で作られた万年筆を初めて発売しました。
万年筆って難しそうって思われがちですが、コツを覚えればそんなに難しくありません。万年筆で書いた文字には、独特の味わいや雰囲気があり、個性のある文字が書けるのがいいところ。いつもはシャープペンシルなどを使うことが多いかもしれませんが、ぜひ万年筆も使ってみてほしいです。