今はパソコンやスマートフォンがあれば、相手にすぐにメッセージを送ることができます。でも、手書きの文字には印刷の文字にはない温かみがありますよね。中でも万年筆で書くと、文字の個性や気持ちが表れます。その理由をご紹介します。
メールで簡単にやり取りができる今だからこそ、手書きのよさが見直されています。クレジットカードを使うとき、名前を書くことで本人であることを証明するように、手書きの文字はその人そのものを表すものです。
手書きが持つ情報量は、印刷した文字よりも圧倒的に多く、その人らしさや個性がにじみ出るものです。
万年筆は、他の筆記具に比べても特に手書きの味わいが出ます。筆圧の強弱やインクの濃淡が文字に表れるので、書いているときの気持ちも文字に表現されるのです。
文字の個性が出やすいことに加えて、格式ある筆記具で心を込めて書くことで、相手に思いが伝わりやすいです。
紙に直接触れる先端には、ペン先がすり減るのを防ぐため、硬い合金が使われている。書き味を左右する部分。
ペン先を固定して、インクの出を調整するペン芯が内蔵されている。
ペン先を保護してインクの乾燥を防ぐ。書く時に後ろに差すことでバランスをとる役目もあるよ。
首軸の中に内蔵されているギザギザの形をした重要なパーツ。インクをペン先まで届けて、インクの出方を調整するよ。
インクをためておくところ。黒以外にもいろんな色のインクがあるよ。
万年筆はインクがなくなっても、インクを補充すれば名前の通り半永久的に使うことができます。
万年筆は書くときに適度な弾力性があって、文字の強弱なども表現できます。その書き味の秘密は、ペン先にあります。柔らかな書き味を出すために、高価な金や特殊合金が使われているんです。ペン先に彫られている刻印もかっこいいですね!
ボールペンなど万年筆に代わる文房具が普及したことで、万年筆を使う人は1970年代ごろから少なくなってきました。
そこで考えられたのが子ども向け万年筆「カクノ」です。子どもに使いやすい工夫がほどこされていて、値段も1000円とお手頃。290万本を売り上げる予想を超える大ヒットになりました。
これだけスマートフォンなどが普及しても、文房具を愛用している人はたくさんいます。手書きの魅力はいつの時代も変わらないんですね。
万年筆にはいろんな種類があります。実用品でありながら装飾品でもあり、高級なものも多く、コレクターがいるほどです。
万年筆はペン先の違いや軸の太さやその素材によって、使い心地が異なります。細字や太字、弾力の違いなどは、ペン先の種類で決まります。ペン先を選ぶことで、自分好みの書き味を選べるんです。
最近は万年筆のインクの色も増えているので、カラフルな色を自由に選べることも人気の理由です!
パイロットコーポレーションは、大正時代に日本で初めて純国産の万年筆を作った会社として、100年にわたりさまざまな筆記具を作ってきました。
手書きの文字からは、その人の存在を感じとることができます。とくに、使う人の個性や気持ちが筆跡に表れるのが万年筆の魅力。万年筆で心を込めて字を書くことで、自分自身の心も見つめなおすことができます。
手書きの手紙は、世界に一つだけしかない宝物です。ぜひ大切な人に、手紙を書いてみてください。